どうもボーリング技術者のボリ・ボリーです。
先日、貫入器で孔内事故がおき貫入器回収作業をしたときのこと掘っていきます。
この現場では貫入試験のみの建築ボーリング調査を行っていました。
玉石が多く厚い砂礫層をリーミングついでにコア取りの練習をしながら調子よく掘進していた、そんな作業中。貫入試験を実施して抜きあげたら貫入器コネクタ部上部のロッドジョイント部以下が孔内に残ってしまう事故がおきた。

貫入試験終了後の抜き上げの際に油圧力だけであがらなかったため、機械で少し回転させたことによりジョイント部ネジが切れたのだ。
そもそも抜きあげる際に回してあげるとネジを切る可能性があるのでモンケンで叩き上げたりするのが基本である。
回したのは、叩き上げは試料落失リスクもあるから。それと最近まで手動チャックのマシンを使用してきたので少し回す程度で様子を見ながら回しあげることができていた(程度によりモンケン叩き上げ)、なのでこのときも回すことを選んだ。しかしこのとき油圧チャックのマシンを使用していたので掴む力が手動よりつよいことへの考慮が足らずいつもの調子で回したことが原因となった。
次の現場も決まっているので起きたことを一度飲み込み、深呼吸し切り替えようとしてみる。落ち着かないけど、回収作業へとりかかる。
まず、孔内状況の把握。そして、もう夕方でしたので孔内の具合の確認と取れたらラッキーのつもりで66コアチューブをメタル外して孔におろす。(外さないとチューブ内に入らないので)
コアチューブのメタルを外しているので、ある程度の力で掘削。(壊れるので)
取ることよりもここでは孔内状況の把握を意識。貫入器存在深度付近で入らなくなったのでそこで揚げる。慎重に衝撃を与えないように揚げていく。
一番下のコアチューブがあがる、その下は無い。貫入器は取れていない。
具合の確認で、ラッキーのつもりでと思っていても揚がってないとどっと疲れる。
同じやり方でがむしゃらに孔につっこんでもうまくいかないものだし、いつもより辺りも暗くなっているので片付けて帰る。
帰りの車で考え、会社に帰って先輩に相談、家で悩む。

朝、会社からアウトサイドタップ、インサイドタップ、使い古した70くらいのコアチューブを持って到着。
給油は後にしてエンジン始動、さて、はじめにアウトサイドタップで回収していく、何回か繰り返す。降ろして貫入器に当たる、パイレンで回す、少し圧をかけてパイレンで回す、決まった(食い込む)感じはある。しかし揚がらない。状況を考える。貫入器への土圧がつよくて、タップがくい込んだ程度ではあがらないようだ。
貫入器への土圧を除去するためケーシングを貫入器先端まで入れることにした。掘削していると、先端まで到達していないがそれ以上入らなくなる。おかしい。考える。きっと貫入器に当たってしまっている、それで入らなくなったのだろう。(礫に当たり曲がって入っている?)先端まであと少しあるが、ここまで入れたのだし、再度アウトサイドタップで向かう。
降ろして貫入器に当たる、パイレンで回す、少し圧をかけてパイレンで回す、決まった(食い込む)感じはある。しかし揚がらない。ふぅあぁ。あぁ腹が立つ。状況を考える。
さっきケーシング入れているとき貫入器に当たっていて入らなくなったと考えていた、それはそうだろうと思う、でもケーシングが入らなくてすごく圧をかけて掘削していたからケーシングが貫入器に圧をかけている状態なのではないか?少し抜こうか、でもせっかく入れたのに?そこが崩壊したら?
ケーシングを少し抜いて貫入器を抑えていたと考えられる圧を排除する。
再度アウトサイドタップ。揚がらない。。
ここで先輩に相談。先輩はもう時間かかってもケーシング先端まで入れたらと言った。しかし全然入らないのを知っているので、入れるならダイヤに付け替えになり相当時間と労力がかかることが想像できた。
そこで、そうする前に一度、持ってきた70mm程度のコアチューブで貫入器先端まで浚渫するという提案をしそれに向かった。
先端まで向かう中、途中からすごく入り辛くなったがなんとか先端まで到達した。しばらく回してからコアチューブをあげる。
浚渫したもののケーシングじゃないから孔壁が崩れるだろうとか、でも一度浚っていることで貫入器への負荷はだいぶん除去できているだろうとか考えながらアウトサイドタップを孔内に降ろす。
降ろして貫入器に当たる、パイレンで回す、少し圧をかけてパイレンで回す、決まった(食い込む)感じがある、いつもよりある、だから揚がってほしい気持ちを込めて、すこし追い決めする(食い込む)。レバーを上げ方向にしバルブを回しあげていく、、、ゴン!!(という感じ、音ではなく機械の振動)、、何だ?外れたか?そう感じもう一度下に降ろし具合を確かめる、もう一度決める(食い込め)。レバーを上げ方向にしバルブを回しあげる、衝撃を与えないようにウインチで巻揚げる、取れてなかったらケーシングだ、とても時間と手間がかかる。いや、でも今回は決まった感じが違ったからこれはあがってくる、はず。そんなことを考えているととれなくなるかな。ぐるぐる考えながらやることは、今やることは衝撃を与えずアウトサイドタップ末端に願いを込めて注目すること!
ロッドを揚げてついに次はアウトサイドタップだ、末端はどうだ?
「うぉ!!!!掴んで!!おい!掴んで!」
と言いながら、カルタチャンピオンもきっと驚くスピードで自分自身が貫入器を掴み、あげた。回収成功だ。

回収成功を確認した瞬間、重い緊張が拔けて身体がとても軽くなった。貫入器を見てやはりケーシングが当たっていたかとか、このあと今日中に掘り終われるかとか考えてみたけど、身体が軽くなったことによってなのか頭がクラクラしてきたのでとりあえず昼休憩にすることにした。
この日Twitterでこのことについていただいたコメントにもありましたが、回収するまでの疲労と焦燥は何度経験しても嫌なものだと感じました。そしてだからこそ、このような経験を自ら体験したり、見聞きして培って対策、対応していくことがとても大事であると感じます。それから体調や気分などを整えることも事故防止につながると思います、とても難しいことです。ただ、事故につながる原因である限り気をひきしめてやっていきたい。
以上、貫入器の回収は成功でした!