
どうもボリーです。
読者の方には、できれば記事を読む前にタイトルになっている地質調査現場作業中の「品質」についてのこだわりは何?についての答えを考えてみてから読み始めていただきたいです。
納得いく答えが即答できたでしょうか?
僕はこの質問を、とある来訪者に現場で急に受けることになりその場で100点の返答が出ませんでした。
そのときのことを振り返ってから、これを機に地質調査の「品質」について考えてみたい。
来訪者からの質問タイム
作業現場には色んなタイプの来訪者がありますが、今回来られた方は元請け担当さんが連れてこられた現場視察が目的の方でした。
ひと通り現場作業を見たらすぐに帰るんだろうと思って作業をしていたら、帰り際にその方がやって来て挨拶があり、いくつか質問を受けることになりました。
安全パトロールと同じようなものだろうと思いながら、難しくない質問に答えていました。
ところが最後に質問された地質調査現場作業中の「品質」についてのこだわりは何?で躓くことになります。
質問された答えに対して、僕はまず採取コアの取り扱いの際にコアを乱さない、天気の影響を受けさせないことに注意しているとを答えました。
質問者はそれから?とさらに聞くので
次は現場の安全に関しての注意事項をいくつか答えると
質問者は安全に関してよりも「品質」についてもう少し聞きたいと言う。
それならと次に、掘削スライムが残るとコアや貫入試験データに影響が出るのでスライムが残らないようにケーシングを入れたり泥水の濃度を調整したりすることに気を使っていることを伝える。
しかし質問者の顔を見ると答えが刺さってないようだった

いつもの安全パトロールなら今までの答えで質問はとっくに終わってるだろう、、、と感じながら、ちょっと慌ててきた頭をほじくり返すが次の答えが見当たらない。迷宮に入ってしまった。
そのときに横にいる元請け担当さんから、貫入の自動落下装置とドライブハンマーを並べて見てもらえるようにしてほしいと言われたので、すぐにその場に用意した。
担当さんは用意した自動落下装置を質問者に見てもらいながら、標準貫入試験の規格の話(質量63.5kgのドライブハンマーを76cmの高さから自由落下させて30cm打ち込む)を説明した後に、この班は昔のように手動でトンビを利用して微妙に違う高さからドライブハンマーを落下させたりせずに、半自動落下装置を利用することで毎回同じ高さからドライブハンマーを落下させて正確なデータが得られるようにしていることを伝えた。
質問者はこれにはとても納得したようで、そういうところを気にかけなきゃいかん。と言って質問タイムは終わった。
質問タイムを振り返って
二人が帰った後はしばらく品質の質問について考えていた。
振り返ってみても自分が答えた答えも間違いではないように思ったが自分の答えと説明は担当さんと比べて何が違っていたのだろうか?
(質問者に対して道具を見せて数字を使って比較対象を持って工夫を伝えているから普通に説明が分かりやすかったという点は大きい違いだった)
担当さんの質問の答えは要するに試験の品質を下げないために適切な道具を使うということだった。
しかし現場目線で言うとこれは品質についての「こだわり」というよりは今時の貫入試験の普通の規格のように思える。
正直言って現場からすると今時の普通の規格について厳守することは基本的に当たり前のことなので、こだわりだと思っていない。
こだわりや工夫というのなら質問の答えはもっとその規格を守るために何をしているか?ということになるだろう。
しかし反対に、自分の考え方が現場目線過ぎるのかもしれないとも思いました。

地質調査の品質とは?規格とは?
今回の質問を受けて考えてみて改めて当たり前のことを思い知ったのだが
それは地質調査における成果品はあくまでもデータ(情報)だということ。
品質の「品」を指すのはデータで品質とはデータの質ということだ。
現場でいくら早く掘ろうが安全管理にこだわろうが、結局一番の成果品は質のいいデータなのだ。(色んな現場がありますが)
そしてその成果品のデータというのは、適切な規格やルールを厳守した上にあるものだということです。
もちろんそんなことは百も承知ですが、それは知っているということであって普段の作業中に持っている意識として薄いように思う。
だからこそ質問タイムで質問に対して微妙なズレが生じたのではないだろうか。
つまり、普段の作業の中で、厳守するのが当たり前な規格やルールよりも、現場担当として、より早く掘ることやコアの品質や安全管理に対して力を入れていることに気が付いたのです。
現場担当者なのでそんなものだろうと思うところもありますが、よりいい調査に近づくためには今一度品質や規格についても考えてみたい。
改めて、地質調査現場作業中の「品質」についてのこだわりは何?

最後に改めて品質についてのこだわりの答えについて考えてみる
この質問をより細かく変換すると
高品質な地質調査データを取るためにどんな工夫をしているか?ということだ。
高品質と聞くとボーリング屋としては高品質コアボーリングについて考えがちだが今回は[品質=正確なデータ]を取るための工夫について考えてみたい。
適切な道具を適切な方法で使用する
正確なデータを取るための工夫を考えていくと
結局元請さんが質問者に対して答えた答えのように品質を下げないために適切な道具と適切な方法での使用を厳守して調査を行うということになると思う。
標準貫入試験にしても原位置試験にしても基本的にはデータの取り方が決まっている訳だからその際に起こる可能性のある不具合をどうやって無くすかということだからだ。
その上で改めて質問に対しての答えをいくつか挙げる
・状態の良い試料とデータを取るために、サンプリング用のライナーや貫入器のシューは状態の良いものを使用する。
・サンプリング試料やボーリング試料の状態を乱さないように取り扱う。
・貫入の自動落下装置が誤作動しないように動作の点検をする。
・原位置試験の際に決められた方法を理解して正常な道具を使用するために試験方法についての学習や道具の点検を行う。
・残留スライム(掘屑)が試料に影響を与えないようにスライム除去を確実に行う。
こうして挙げてみると正確なデータを取るに当たって特に大事な事として、道具を不具合のない状態で使用することがとても重要だと分かります。
現場の進捗を第一に考えながら掘削作業を行っていると細かい道具一つ一つの点検や整備を行うことは手間もお金もかかるので大変ですが、正確なデータをとるためには不可欠といえるでしょう。

掘りおわりに
今回の質問の答えは考えてみると身近なところにまだまだあると思います。
いち地質調査員として現場の身近な所に目を光らせて、少しでも品質の良い調査をしていきたいです。
訪問者からの質問によって普段現場で大事にしていることと少しだけ違う角度からの視点についての気付きを得ることができました。
ボーリングオペレータ ボリ・ボリー
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