原位置試験

LLTのゴムに異常発生(2.回収)

LLTのゴムに異常発生の続きです。

ゾンデ回収作業

機械のエンジンを始動させてゾンデ回収に取り掛かります。

ロッドを引き上げる際に圧力メーターを見ながらじんわりと給圧していきます。

このときに圧力がそれほどかからないうちに楽に上がればいいのですが(通常は負荷なく上がるもの)

そうはいかず、引き抜き方向にある程度のに圧をかけても上がりませんでした。

さらに圧をかけて引き上げる前に1度給圧をとめて思考を整理して考えることにしました

回収する為には上げるしかないのですが、経験上、今以上に給圧をかけると間違いなくゾンデのゴムに何か起こると感じていました。

既にゴムが異常な状態になっているとしても能動的に取った行動のせいでさらに状況を悪化させる可能性があるので

こういう異常事態には一手一手を慎重にいくようにしています。

給圧をかけると今以上にゴムに何か起こる可能性が高いと予想していたことと

給圧だけかけることはいつでできることなのでまずは一度送水してみることにしました。

ゾンデとロッドをつなぐジョイント部の穴にテープはしていないので孔底からの送水にはなりませんが試してみました。

送水しながら給圧を先ほどより少し上げて抜き上げの様子を観察していましたが、送水したことで状況は特に何も変わらない結果になりました。

他に手持ちの手がないのでいよいよ次は給圧を上げてみることにしました。

かなりかけるとググッという感じで(かなり抵抗がある)5cm、10cmと上がってきます。

どんな感じであれ動いてくれて徐々に負荷が少なくなってくれれることが理想でしたが

15cmくらい上がったところで給圧をMAXでかけても上がらなくなりました…

LLTはゾンデに管が取り付けてあるので基本的に回すことは出来ません

仕方がないので真下に向かって圧をかけてみますが下方法にも全く動かない。

これにより僕の中で異常レベルが1段あがりました。

こういった通常の方法で解決できなかった場合、その後からは現場の状況に合わせてよく考えて解決していかなければいけません。

上にも下にも動かない状況の中でまずはケーシングとロッドの残尺を計算してから孔の中を想像していました。

破れたゴムがケーシングに引っ掛かっているのか…?

孔壁で何かが邪魔をしてるのか…?

そんな中で状況を把握する為にチェーントングでケーシングを回してみると、引き上げるために圧をMAX出かけている状態でしたが回転させることが出来ました(ある程度力は入れたけど)

このくらい回るのなら圧をMAXでかけているのでケーシングで引っ掛かっているならケーシングが一緒に上がってくるはずです

しかし上がらないということはケーシング下の裸孔部分の影響であると予想しました。

それと圧をかけて15cmくらいは上がったのに下に降りないことも気になっていました。

孔の中の現実の姿は見えてきませんが

ここで試しにモンケンで下に向かって打ってみることにしました(注意と観察をしながら)

打ってみると始めは1打撃で2mmくらい下がりましたが打つ度に下がる量が増えていて、あるところで突っかえが取れたような反応があり大きく下がりました。

この反応を受けて再度ロッドを繋いで引き上げてみました。

しかしまた15cmくらいあげると負荷がかかりましたが

今回は瞬時に下方向に給圧をかけて下方向に押し下げました。

下げては引き上げることを繰り返していると徐々に上に上がってくるようになってきたので続けて上下運動をさせていると

40cm程度上がったところで遂に負荷がなくなったので、そのままゾンデを引き上げました。

なんとか無事にゾンデを回収することができました。

過去にも同じように上げる際に一瞬上がらないときはあったのですがなんだかんだ上がっていましたので、今回はどうなることかと肝を冷やしました。

孔内の残留物に注意

引き上げた後に試験深度下でコア取りをしたのですがコア取り深度までダブルコアチューブを降ろす際に違和感があったので一度コアチューブを上げてみると

コアチューブの中に回収時に孔内に残ったLLTのゴムが入り込んで邪魔をしていました。このままコア取り始めていたら危ないところでした…

孔内トラブル後のコア取りには注意が必要だ。

コアチューブの中に入りこんだLLTゴムの破片
次はこうする

このような微妙なN値でのLLTは今後もする可能性があると思いますが次にする場合は

・中盤であまりにもデータが取れていない場合は中断も検討する。

試験をしてしまっているので問題はあるが事故を防ぐ観点から考えると中盤~後半の様子をよくみて中断も一つの手段とする。

・ゾンデのゴムをよく締めてから挿入する。

基本的にはそんなに緩まないとは思うが孔に入れる前に確実に確認するようにしたい。

事故が起きた場合の原因が本体やゾンデの調整不良であることは結果の考察の妨げになるので留意したい。

それから沖積層の軟弱層での試験ならゴムがある程度どうであれもしかすると問題ないかもしれないがLLT試験の圧力ギリギリを攻めるのだからなおさらゴムは確実に締めなければいけない。

この時の経験を忘れずに生かしていきます。

実際に孔の中で何が起こったか、真実が気になるところだ。


ボーリング技術者 ボリ・ボリー

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