掘跡(作業記録)

掘跡【地下水を探る/内視鏡で見た孔の世界】

地下水を探る

年末最後の仕事、もうこの現場に入って随分経つ。本来は年末までに余裕で終わる予定だったのだが、ボーリングマシンを置いたまま年を越すことになってしまった。

なぜかいうと、今回の現場の仕事内容が山の法面下部から湧水が確認されるので、山の中腹辺りをボーリングして地下水が発生している箇所を把握することなのですが、その把握に時間がかかったからでした。(現在も進行中)

深度は全く深くないのですが、初期水位まで、無水掘りで掘り進めつつ、採取した土の状態を確認する。数メートル掘るとしばらく待つ、もしくは次の日まで置いておくこととなる。

作業の手待ちが多いが、現場に入る前にそれなりに話はしていただいて契約しているので手待ちに対してブーブー言うつもりはない、しかし毎日あまりにも手応えがないから現場担当者として集中力が削がれる。いや、保つのが難しい。

水位を何度も確認したり、途中で逸水を確認したりして予定深度に到着して、報告を発注者に上げると、孔の中の状態を覗いてみることになった。

ボアホールカメラだと思った。そして、ボアホールカメラは未だ経験がないので、見れるかもしれないと興味が湧いたが、ボアホールカメラの場合用意に手間がかかり過ぎるようでとりあえず、工業用内視鏡という同じく孔の中の状況を観察できる道具を使い孔内を観察してみることになった。

工業用内視鏡も経験したことがないため、どんなふうに孔を観察するのか好奇心が弾んだ。

工業用内視鏡はスマートフォンのような見た目のモニターと小型のカメラが先端に付いた長いコードを接続して、カメラが映した映像をモニターで確認しながら、録画や画像保存を行える代物でした。

内視鏡を使う担当さんの補助をしながら、一緒に観察していたのですが、内視鏡の先端のカメラを孔の奥へ挿入する際に、まっすぐ入れるのがなかなか難しいようで孔壁に内視鏡先端のレンズが当たり、レンズに泥が付いてモニターに泥汚れが映り観察が上手くできない事態が多発します。

担当さんも内視鏡を使うのは今回が初めてだと仰っていたので、もちろん始めからそんなに上手くいくものではないだろうと思い、ゆとりを持って一緒に作業を進めていました。

しかし、なんというかあまりにも孔壁に当たりまくってその度に孔内から引き上げてレンズを掃除するということが多いので、自分でも上手くいくか分からないし何の自信もないけど(やったことないし)今よりはマシなことは出来る気がしたので、内視鏡の操作を代わってさせてもらうことにしました。(僕はだいぶ待った方だと思うよ)

それにしても、立候補して代わったわけですから上手いことやらなきゃカッコが悪い。

集中して孔の中へカメラを突っ込んだ。(まぁできるでしょう)と強く思っていました。

モニターを見ながらコードを捻る、捻った状態のまま肘の位置は変えずに腕だけ伸ばして孔の中へ押し入れる。途中途中で発生するコードの反抗をいちいち捻じることで無力化させる。

レンズの泥汚れはないし、孔の真ん中辺りで先に入れた巻尺の数字もよく見える位置に上手く降ろせている。

降ろしながら孔壁を観察していると、なぜか普段マシンを使って掘っている時よりも地質調査をしてるように感じた。

僕は上手く捻りながら一回もレンズを泥で汚すことなく、担当さんの指示通りに上下に速度を調整しながら観察を終えた。

担当さんは操作上手いねぇと言ってくれたし、自分でもめちゃくちゃ上手いなと驚いた。(まじで)言わせてもらうがきっとこれが、現場ボーリングオペレーターの力である。(まじで)

こうして採取したデータを担当さんが整理して、今後どんなふうに進めていくかを発注者と相談して決めてもらう段取りだ。

内視鏡で見た孔の世界

孔の中は長い洞窟のようでした。

暗くて、横に広がる世界は無く、ただまっすぐ続いている。

そんな世界には飛び出した石、滲み出る水滴、石が多く集まった場所などがある。そしてそれは毎回深度を確認しながら進んでいくと、当たり前のように同じ場所にあって、何往復もしていると、この世界のマップができあがってくる。場所ごとに特徴も分かるようになってくる。

そんなふうに時間をかけて、この世界を何度も眺めながら通ると、この孔の世界のことが随分と分かる。ああ、2.50m地点は石が多いからねとか、3.60m地点は水が滲んでるよとか。

始めて自分で掘った孔の中を見て、何度も往復してみると、僕たちがいつも過ごしている、横に広がる世界と同じような世界がありました。

地質調査を何に使うかとか考え出すと、必要不必要の話になって全部つまんなくなります。

でも、身体中を使って、見て触って感じたりして感動するというところに重きを置いたら、地質調査はめちゃめちゃおもしろいものです。

誰でもそれを楽しむのは無理でしょうからテコ入れておすすめはしませんけど。興味ある人はぜったいおもしろいぜ。

いい孔掘れますように。

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