掘跡(作業記録)

掘跡「要望を牽制し合う者たち」

晴れ 連日35℃越え。

またひとつ現場が終わりました。


自分が職長をやっていた頃と違い、今はなかなか作業中にスマホを触れないので、刺激的な写真が撮れません。


それでも、あの時間を覚えておいて、後から思い出しながら表現できることがとても嬉しい。
嫌な思いもキツいことも、二度美味しくいただけます。

さて、今回の現場は

ある施設内での地質調査。
観光客が訪れる施設のため、施設側としては地質調査を実施したいものの、「お客様第一」でなければならず、騒音や作業時間に関しては絶対に譲れないという姿勢で要望を出してきます。

要望に応えようとすると、「それなら調査しない方がいいのでは?」と思ってしまいそうになりますが、これは仕事。そんなわけにはいきません。

そんな中で、
「お客様の邪魔にならない端の方から調査を始めるので、一度私どもの地質調査作業がどれほどのものなのか見ていただけませんか?」
という流れになり、現場入りしました。

「よし、掘るぞ!」と張り切るものの、掘り方は今の会社流で進めます。
これが、やっぱり難しい。

地質調査ボーリングは、現場環境も調査の品質も、基本的にオペレーターの考えで成り立っています。
オペレーターがどの程度の知識を持ち、どんなレベルの仕事を求めているかによって、作業の進み方や現場対応は大きく変わる。

どの仕事でも同じことは起こると思いますが、
これまで問題なくやってきた“自分の当たり前”の方法を使えず、以前より自分に負担のかかる方法で作業をしなければならないことが多々ある。

ダイヤやコアチューブの使い方、泥水管理など、
自分が教わり、築き上げてきた基礎的な考え方を、強引に上書きされるような場面が何度もありました。

例えば──
ダイヤを取り付けたシングルコアチューブで掘削中、10cm程度の玉石を切り終わる直前には、石の切り終わりに伴って掘進速度が速くなるのに合わせて、圧力を抜く操作(コア詰まりを防ぐため)をしていたところ、
作業終了後、先輩から「掘り方が丁寧すぎる。もっとガンガン圧力をかけて押した方がいい」と言われた。

確かに、丁寧すぎると時間がかかる場合はある。
でも、圧をかけすぎるとコアチューブ内にコアが詰まり、一度引き抜かないといけなくなる可能性もある。
そもそも、ダイヤで掘るときって、そんなにガンガンいくものでもない。

…とは思いつつ、言われた以上は一応、取り入れていくしかない。

ベントナイト泥水の考え方もそう。
「送水した水が戻ってきてさえいれば濃度なんてどうでもいい」と言われると、
「そんな管理だからケーシングが締め付けられて、かち上げしないと上がらないことが多いんじゃないか?」と思うけれど、
「なるほど」とか言って、一応は言われたことを考える。

とはいえ、外からやってきた自分が急に今までと違うことをやったり、
逆に、これまでやってきたことを否定するような態度を取るのは、先輩にとっては迷惑にもなりかねない。

なんて言いながらも、「いやでもそれは…」とかも適度に伝えていますが…。

だから、今はこのくらいの距離感でやっていくつもりです。

そして、3日間先輩と──

「お前はそんな感じでやるのか?」
「えー、そんな道具の使い方するの??」
「この人、こういうとこあるのか」

──そんなやり取りを、言葉にせず、確認し合いながら無事調査を完了し、撤去となりました。

「ガンガンいこうぜ!」って作戦は僕の中にないものだったから、なんだかんだ言ってそのやり方を学べるのは自分にとってめっちゃいいって思ってる。

今後も、こんな牽制し合いながら、なるべくいい現場を作っていきたいもんです。

いい孔掘れますように。

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