地層状況に応じた機器と加圧ピッチの選定
ここのところ、本孔でコア取りしつつ孔内水平載加試験を行う調査をしています。
孔内水平載加試験は基本的にLLTとエラストがありますが私は実はこの現場をするまではエラストを見たことが1度しかありませんでした。
その1度は新鮮な硬岩だったのですが、今回は構造物設置深度に合わせて行うので、土砂から岩盤までN値も違うものを対象に行いました。
今回は基本的にはN値30を目処にLLTを使うかエラストを使うか決めています。
仮にN値が30程度でも土砂、風化土(岩盤)の状態に応じてどちらを使うか選定することもあります。
ちなみにこの現場で基本的には
土砂やN値30以下だとLLT
風化土(岩盤)やN値30以上だとエラストでした。
エラストはパッカーのゴムの種類を変えて土砂から硬岩まで使い分けることができます。
そして、今回の現場では試験予定深度の部分ででたモノがN値30の風化岩でした。
風化岩の状態とN値を見るとエラストでは力が強すぎて細かくデータが取れないかもしれないと考えてLLTを使うことにしました。
風化岩だし基本的に説明書にはN値30以上は加圧ピッチが0.1MPaずつと書いてあるので0.1MPaずつ加圧することにしました。
ゾンデを孔内に降ろして試験を開始して孔壁に当たり、出だしは順調でしたが崩壊が始まるとかなり早くパッカーが膨らみ試験終了となりました。
崩壊が始まる部分のデータは取れていますが、欲を言えばもう少し細やかなデータが取りたかったです。
今後は風化岩の場合はあまりコアの見た目で判断せずに、今回の場合のような時には0.05MPaで徐々にいった方よりがいいデータが取れるかもと感じました。
近くで掘っている別業者はこの場合と違ってN値30程度の風化岩でLLTを使って試験したところ
限界圧辺りまでかけても崩壊しなかったという話も聞きましたので、これもやはり見た目で決めつけられるものでは無いと感じました。
ボーリング技術者 ボリ・ボリー