原位置試験

風化岩で孔内水平載荷試験~風化度合いに応じた孔作りを意識して掘る~

前回の記事↓

風化岩で孔内水平載加試験~地層状況に応じた機器と加圧ピッチの選定~

今回は前回と違うポイントで行った風化岩での孔内水平載荷試験での別事例です。

風化度合いに応じた孔作りを意識して掘る

この場所の風化岩は捨て打ち無しのN値が50/15くらいのモノでした。

コア取り後にエラストを行うのでまずはコア採取を始めました。

掘っている感じとしてはk8レベルのボトムダイヤで向かっていましたが自重のバランス掘りでリズムよく進んでいるので、それ程硬いものではないという感触でした。

上げてみると状態は岩片状から礫状で所々土砂状です。

コアを観察した後、エラストのゾンデを挿入していましたが予定深度まで降りません。

礫状の所に引っかかっているのか、土砂状のものが沈殿しているのか?

これを確かめるためにまずは上下に軽くゆすってみました、すると10㎝くらいは降りていきました。

それから先はゆするのに力がかかるようになってきたので慌てて元の場所辺りまで引き上げました

これは砂層でベーラーを使っているときに起こる現象と似ていて、あのまま置いておくと砂に噛まれてジャーミングする可能性がありました。

これにより礫ではなく何か土砂ようなものが堆積してゾンデが降りないと予測しました。

この場合、試験を行うために一度孔内を洗浄するのですがどういう方法をとるかは現場や考え方によって違います。

自分の場合は孔壁を大きくしたくなかったのでできるだけ少ない回数で孔作りをしたいと考えて

まずはどの辺りからどのような粒径の土砂が沈殿しているかを見るために、貫入器を降ろして打ち込んで、実際のモノを取って見てみることにしました。

取ってみたところ1~2㎜程度の粒径の砂がかなり溜まっていました。

コア取りした部分が取れていてここまで溜まるのは不思議でしたが、そこにあるものはあるのでこの粒径に合わせた孔作りを考えました。

結局対策としては、どこかしらから土砂が流入しているので孔壁を作ろうと考えて

濃い目にポリマー材を作ったところにCMCを多めに添加しました。

そして念のためコアチューブ上にマッドチューブも取り付けてから再度孔作りをしました。

作った泥水を送りながらコアチューブで深度まで掘削して予定深度まで降りたところでしばらく回し続けて、帰ってくる泥水とスライムの状態を観察します

スライム量の現象や泥水の色の変を見て孔内の土砂を上げたと思ったところでコアチューブを引き上げました。

その後に再度エラストのゾンデを降ろしました、予定深度より10cm程上で止まりましたが降りた後に少しゆすることで予定深度まで降りました。

そしてこの後の試験は問題なく実施することができました。

今回のことから、試験対象区間が今回のように礫状や土砂の部分がありそうな場合

コア取りの時点であらかじめ泥水にCMCを添加したり、マッドチューブを取り付けておくことで試験をスムーズに行うことが出来るかもしれないと感じました。

何でも色々経験ですね。


ボーリング技術者 ボリ・ボリー

 

人気記事

-原位置試験

© 2024 BORIBORI.SITE Powered by AFFINGER5