現場管理.安全管理 その他

埋設物現れる、その後の対応例

以前建築物の調査ボーリングの現場をしたときのことです。

ある会社の敷地内での作業でした。

埋設物確認ための試掘は不要ということで掘り進めていたのですが

80cm位掘って掘管を上げて、掘管に入っている土を叩き出すとなんと

中から塩ビパイプが出てきました。

掘ってしまった塩ビパイプ

状況を把握するために急いで孔内を確認しました。

どうやらGL-70cm位の所に125mm位の塩ビパイプが入れられていた所を掘ったようだ。

スタッフをパイプに見立てた地中の想像図写真

起こってしまったことはどうにもならないので気持ちを切り替えて

元請け担当者に上の想像図写真をSMSで送信してから連絡を入れた。

担当者から待機の指示を受けたので

この後の段取りを考えて待機した。

担当者から連絡が入り

破壊したパイプがなんのパイプなのかすぐに特定できないこととパイプ内に掘削水が入り込んだりすることを踏まえて調査位置をズラすことにすると指示を受ける。

こうなると次に考えるのはズラすにしてもどこを掘るかである。

赤いスプレーをしたロッドを置いた辺りに移動することに決める

再度孔の中と切り抜いたパイプの様子を見てパイプの通りを確認する。

上の画像でいうと画像の右側は車が通行する関係で移動出来ないので

左側に50cm程ズラしたところを掘る場所に決めて

赤いスプレーがしてあるロッドを目印として置く。

ロッドを置いた上の画像の写真を担当者に送信し連絡をとってから移動の段取りを進めます。

まず、今度は掘り始めから埋設物確認のために試掘をGL-1.00mまで行います。

試掘の準備はしてきていないので会社まで30分で帰れる距離だったので一旦試掘に使う道具を取りに帰った。

試掘に使うダブルスコップとバールとオーガーを積み込む

それと今回はアスファルト舗装がしてある場所なので舗装カッターも用意した。

試掘道具1式

現場に戻り作業に取りかかる。

アスファルト舗装の場合、まずはボーリングマシンでアスファルトに穴を開けてから試掘をするか、他の道具でアスファルトを取り除いてから試掘をはじめます。

今回は何ヶ所も穴を開けることになる可能性を考慮してはじめから広めにアスファルトを取り除いてから試掘する方法を取りました。

なのでまず

舗装カッターで切る場所を区画してからカッターでアスファルトを切断して取り除きました。

切断箇所を区画

アスファルト舗装切断作業

アスファルト除去後

アスファルトを取り除いたら次に試掘道具を使って試掘をはじめました。

掘っているとGL-0.70mくらいの箇所で孔壁の辺りに塩ビパイプの端の方が現れた。

掘っていると70cm付近にパイプ現る

直撃はしていないものの、この場所を本孔として掘るとするとパイプとの余裕が少ないので

画像でいうと左側に30cm位ずらして試掘をはじめた。

しかし30cmくらい掘ると鉄筋コンクリートの基礎が現れた。

仕方ないのでさらにズラすが鉄筋コンクリートが現れる。この辺り一体を掘ってみたところアスファルトを切った区間の左側半分近くは鉄筋コンクリートが入っていることが分かった。

青い箇所はコンクリ、バールはパイプの通りをイメージした画像

上の画像の青い箇所は鉄筋コンクリートが出るし

バールが置いてあるのは地中のパイプの通りを表しているのでパイプをΦ125径と考えると中央下側から右側もパイプを回避するのは難しい。

再度、場所を変えて試掘を行うか?

決め打ちで右側にズラしてボーリングマシンでアスファルトを取り除くか?

しかし試掘にあまり時間も使っていられないし

担当者と相談して

2箇所目に掘った孔壁にパイプの端が出ている孔を可能な限り左側にズラして

泥水の影響を受けさせないように循環用の116mmケーシングを数メーター挿入してから

掘削することになりました。

ボーリングマシンを試掘した場所に移動させて

ケーシングを挿入してから掘削し無事に掘り終わりました。

ケーシング設置後

掘削後の現場の後片付けですが

担当者に確認を取ったところ

この知識調査が終わった後の工事で舗装を取り除いたりするので現状復旧は必要なしで調査孔の閉塞のみ行うことになった。

1番はじめにパイプを破壊した穴については表面の少し下側で土嚢袋で蓋をした状態にした。

完了状況

現状復旧が要らなかったので案外すんなり現場が終わりましたが復旧となっていたらウチでは対処しきれないので元請けから土木業者さんに頼んで直してもらうことになっていたかな。

トラブルが起きたらそのときの状況の中でベストな方法を模索して進めていきたいですね。


ボーリング技術者 ボリ・ボリー

 

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